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ちくま学芸文庫

世紀末芸術

新しい美の饗宴

伝統芸術から現代芸術へ。19世紀末の芸術運動には既に抽象芸術や幻想世界の探求が萌芽していた。新時代への美の冒険を捉える。 【解説: 鶴岡真弓 】

定価

1,320

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09158-1

Cコード

0170

整理番号

-6-4

2008/07/09

判型

文庫判

ページ数

272

解説

内容紹介

メタモルフォーズする官能の女性像、流麗なアラベスク模様、象徴的な動植物モティーフ―。アールヌーヴォーやユーゲントシュティールなど「世紀末芸術」は、19世紀末、爛熟の極に達した西欧文化の中から、一斉に花ひらいた。混沌とした転換期の鋭敏な感受性が、華麗な装飾性や、幻想的な精神世界などを追求しはじめたのだ。そこにはすでに、抽象表現の台頭、諸芸術の綜合、芸術言語の国際化等、20世紀芸術にとって大きな意味をもつ諸問題が提起されていた。新時代への「美の冒険」でもあった芸術運動を、絵画や彫刻、建築、装飾、デザインの分野

目次

序章 世紀末芸術とは何か(転換期の芸術
新しい芸術理念
頽廃と新生)
第2章 世紀末芸術の背景(社会的風土
機械文明の発達
ジャーナリズムの繁栄
遙かな国・遠い国)
第3章 世紀末芸術の特質(華麗な饗宴
魂の深淵
よく見る夢
音楽性と文学性)
第4章 世紀末芸術の美学(象徴主義
綜合主義
科学主義)
結び 二十世紀への道

著作者プロフィール

高階秀爾

( たかしな・しゅうじ )

高階 秀爾(たかしな・しゅうじ):1932年、東京生まれ。東京大学教養学部卒業。1954ー59年、フランス政府招聘留学生として渡仏。国立西洋美術館館長、日本芸術院院長、大原美術館館長を歴任。現在、東京大学名誉教授、日本芸術院院長。専門はルネサンス以降の西洋美術史であるが、日本美術、西洋の文学・精神史についての造詣も深い。長年にわたり、広く日本のさまざまな美術史のシーンを牽引してきた。主著に『ルネッサンスの光と闇』(中公文庫、芸術選奨)、『名画を見る眼』(岩波新書)、『日本人にとって美しさとは何か』『ヨーロッパ近代芸術論』(以上、筑摩書房)、『近代絵画史』(中公新書)など。エドガー・ウィント『芸術の狂気』、ケネス・クラーク『ザ・ヌード』など翻訳も数多く手がける。

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