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単行本

日本人にとって美しさとは何か

センス・オブ・ニッポンの本質を日本美術に検証する

大胆なデザイン性、多様な要素を一つ画面に納める構成力、日本独自の美意識を明らかにし、この感性がいかに中国や西洋の文化を受け入れたかを詳らかにする。

定価

2,090

(10%税込)
ISBN

978-4-480-87384-2

Cコード

0070

整理番号

2015/09/24

判型

四六判

ページ数

256

解説

内容紹介

大胆に切り捨てる一方、多様な要素を隔てなく取りこむ…
それは、私たちの感性にも通じるから。
センス・オブ・ニッポンの本質を日本美術に検証する。

平安時代から現代に至るまで通底する日本的想像力を西欧のそれと較べて解き明かす。

目次

1 言葉とイメージ―日本人の美意識
『古今和歌集』序文に見る日本人の美意識/勅撰和歌集の意義/
図と文字が越境する/「反り」という造形的感受性/
ヨーロッパのカーブと日本の反りの違い/平仮名の造形性/
日本と西洋の建築を比べる/鳥居とは何か/自然に寄りそう日本人の美意識/
日本画が描く四季/絵文字の遊び心/絵と文字の共作/
散らし書き、返し書き/日本における漢字の特殊性/
工芸デザインの絵と文字/定家の「否定の美学」/
在原業平の「八橋」のデザイン/小野小町「花の色は」のデザイン/
文字と絵は別―西洋の文字デザイン/マンガの文字と絵

2 日本の美と西洋の美
東と西の出会い 日本および西洋の絵画における表現様式についての諸問題
発見された日本の美意識/日本における西洋の絵画技術導入の歴史/
二つの表現様式/切り捨ての美学とクローズアップ/
表現様式の原則を比較する/日本の美術作品に見るデザイン性

和製油画論
感性と情念―「和製油画」を支えたもの
栖鳳芸術における西欧と日本

3 日本人の美意識はどこから来るか
絵と文字
漢字と日本語
襲名の文化
余白の美学
名所絵葉書
受け入れられなかった雅楽
実体の美と状況の美
大観と富士
「行く春」の行方
唱歌と音楽教育
伝統主義者福澤諭吉
白梅に託す思い
龍、虎、そして美術館
解釈は作品の姿を変える
創造行為としての解釈
日本人と橋
きらめく朦朧体
旅の東西
東京駅と旅の文化
ロボットと日本文化
世界文化遺産としての富士山

あとがき
初出一覧

著作者プロフィール

高階秀爾

( たかしな・しゅうじ )

高階 秀爾(たかしな・しゅうじ):1932年、東京生まれ。東京大学教養学部卒業。1954ー59年、フランス政府招聘留学生として渡仏。国立西洋美術館館長、日本芸術院院長、大原美術館館長を歴任。現在、東京大学名誉教授、日本芸術院院長。専門はルネサンス以降の西洋美術史であるが、日本美術、西洋の文学・精神史についての造詣も深い。長年にわたり、広く日本のさまざまな美術史のシーンを牽引してきた。主著に『ルネッサンスの光と闇』(中公文庫、芸術選奨)、『名画を見る眼』(岩波新書)、『日本人にとって美しさとは何か』『ヨーロッパ近代芸術論』(以上、筑摩書房)、『近代絵画史』(中公新書)など。エドガー・ウィント『芸術の狂気』、ケネス・クラーク『ザ・ヌード』など翻訳も数多く手がける。

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