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定価

1,650

(10%税込)
ISBN

978-4-480-83217-7

Cコード

0097

整理番号

2021/06/21

判型

四六判

ページ数

288

解説

内容紹介

 チョ・ナムジュ初の、近未来小説。巨大企業が財政破綻に陥った自治体を買収して作り上げた謎の都市国家「タウン」。その最底辺に位置する集合住宅「サハ・マンション」が舞台だ。犯罪をおかして逃れてきた人々、やむをえずここにしか住めない人々が消耗品のように働かされ、使い捨てにされていく。彼らの生き残りと相互扶助を通して、ディストピアの中のユートピアを模索した小説。
 姉ジンギョン(30歳)と弟トギョン(25歳)の母が自殺し、そのことにからんで弟は人を殺してしまったために二人はタウンへ密入国した。そして弟は、スウという女性と姿を消す。30年後。タウンの独立当時に大規模な大衆行動があったこと、それは革命とも呼ばれたこと、当時の生き残りがサハマンションに住み、人々をひそかに助けてきたことがわかってくる。チョ・ナムジュは、フェミニズムはなぜかくも切実な連帯の思想であるのかを立証したといえる。
 評論家シン・セピョル「チョ・ナムジュは、フェミニズムはなぜかくも切実な連帯の思想であるのかを立証したといえる。」チョン・セラン「残酷にして美しいSF小説だ。」

著作者プロフィール

チョ・ナムジュ

( ちょ・なむじゅ )

チョ・ナムジュ:1978年ソウル生まれ、梨花女子大学社会学科を卒業。放送作家を経て、長編小説「耳をすませば」で文学トンネ小説賞に入賞して文壇デビュー。2016年『コマネチのために』でファンサンボル青年文学賞受賞。『82年生まれ、キム・ジヨン』で第41回今日の作家賞を受賞(2017年8月)。大ベストセラーとなる。2018年『彼女の名前は』、2019年『サハマンション』、2020年『ミカンの味』、2021年『私たちが記したもの』、2022年『ソヨンドン物語』刊行。邦訳は、『82年生まれ、キム・ジヨン』(斎藤真理子訳、ちくま文庫)、『彼女の名前は』『私たちが記したもの』(小山内園子、すんみ訳)、『サハマンション』(斎藤真理子訳)いずれも筑摩書房刊。『ミカンの味』(矢島暁子訳、朝日新聞出版)。『ソヨンドン物語』(古川綾子訳、筑摩書房)が近刊予定。

斎藤真理子

( さいとう・まりこ )

翻訳家。訳書にパク・ミンギュの『カステラ』(共訳、クレイン)、『ピンポン』(白水社)、チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』(河出書房新社)、ファン・ジョンウン『誰でもない』(晶文社)など精力的に韓国現代文学を翻訳している。『カステラ』で第一回日本翻訳大賞を受賞。

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